猫が道路に飛び出してきて交通事故を起こし、後遺症が残るけがをしたら?

交通事故はたいていの場合、自動車やオートバイと人がぶつかる対人事故か、あるいは運転手がスピードの出し過ぎなどで転倒したり物にぶつかったりする自損事故のどちらかです。ただ自損事故の場合、原因が必ずドライバー側にあるとは限りません。

たとえば、歩道から猫が飛び出して避けようとしたら転倒してしまったということもよくあるのです。

そもそもなぜ猫は道路に飛び出してくる?

車やオートバイを運転する人にとって、道路で轢かれた猫が死んでいる姿を見るのは決して珍しいことではないでしょう。では、そもそもなぜ猫は車が走ってくるにもかかわらず道路に飛び出してしまうのでしょうか。よく、猫は光に反応するといわれています。

そのため暗い夜道をヘッドライトをつけた車が走ってくると、その光に反応して飛び出してしまい、轢かれてしまうという説を唱える人がいます。猫を飼っている人であれば暗い部屋の中で懐中電灯を床などに当てて動かしたら、それを猫が追いかける姿を見たことがある人がいるかもしれません。

実際、レーザーポインターを使って光を追いかけさせる猫用のおもちゃが存在しています。ただ、光に反応しているというよりもなにか動いているものに反応しているといえます。もし、光に対して飛び込んでくる習性があるというのであれば、猫は懐中電灯やレーザーポインター自体に飛びかかってくるはずだからです。

猫が飛び出すのをドライバーが防ぐ方法はない

光に反応しているのでなければ、猫はなぜ道路に飛び出すのでしょうか。その要因として挙げられるのは道路の向こう側になにかいるのを猫が感じたからというものです。たとえば、道路を挟んで反対側の歩道をねずみが走っていたとしたら、猫は高い確率で道路を横断してねずみを捕まえようとするでしょう。

ただ、猫には道路を横断する際は左右を確認するという知識がありません。また、交通事故に遭ったことが一度もないのであれば、車の走行音が近づいてくると危険という認識もそれほどないでしょう。したがって、ドライバーの方で猫が飛び出さないような手段を講じることはほぼ不可能ですし、車やバイクを運転する場合はいつ猫が飛び出してきてもいいように注意を払うしかありません。

猫が原因で事故を起こしたら、その猫の飼い主を見つけよう

猫が飛び出してきてなんとかそれを回避したものの、バイクだったのでバランスを崩して転倒してしまったり、車のハンドルを大きく切ったら対向車と接触してしまったといった事故を起こしてしまったらどうすればいいのでしょうか。

こういうケースの事故原因は基本的に猫といえるので、警察にそれを説明して猫およびその飼い主を見つけることが重要になるでしょう。もし、ドライブレコーダーを積んでいた場合は特定の大きな手助けになるはずです。また、自分一人で探すのはなにかと困難で、警察がわざわざ探してくれることもないので、探偵に依頼するのもありといえます。

飛び出してきた猫を撮った映像がなくても、探偵に特徴を伝えれば探し出してもらえる可能性はかなり高いでしょう。というのは、ある程度の期間、事故現場を張り込んでいればまたその猫がくるでしょうし、そのときに猫を撮影すれば近所の人に映像を見せることでどこの猫かわかるからです。

猫の飼い主に対して損害賠償や治療費を求めることはできる?

猫の飼い主を特定できたら、その飼い主に損害賠償を求めることは十分可能です。もし、事故によって後遺症が出た場合、当然、通院費や慰謝料を請求することもできます。実は民法の718条に法的根拠があり、動物の飼い主は、飼っているペットが人に危害を加えた場合は賠償する責任を負うと定められているのです。

猫が飛び出してきて、その結果、事故を起こしてけがをしたというのは、猫に直接襲われたわけではないものの、猫が原因でけがをしたと見なされる可能性があり、裁判を起こした場合は十分勝ち目があるといえるでしょう。

実際、リードをつけていない犬が近づいてきたために驚いて転倒してけがをした人が、飼い主を訴えて一千万円を超える賠償金を得たという事例が存在します。ただ、当然ですが証拠が必要になってきます。ドライブレコーダーの映像がなく、目撃者もいない状況で事故が起きた場合は主張が認められる可能性は高くないでしょう。

交通事故で生じるあざと後遺症の関係について

飛び出してきた猫が普通の飼い猫ではなかったら?

では、飛び出してきた猫が特定の飼い主に飼われているのではなく、地域猫のような扱いを受けていた場合はどうなるのでしょうか。地域猫というのは野良猫と少し違い、特定の地域に住んでいる有志が餌を与えて面倒を見ている猫のことです。

半分野良猫、半分飼い猫といった存在といえるでしょう。こういうケースで餌を与えている有志を飼い主と見なし、訴えるのは相当難しいといえます。仮に訴えたとしても猫には特定の飼い主はいないということで賠償金が支払われない可能性はかなり高いです。

というのは、飼い猫というのは必ず特定の家が存在していて、当然、飼い主がいれば飼い主の家で寝たり休んだりして長時間過ごすわけですが、地域猫には特定の家は存在していないからです。

猫の飛び出しによる事故を防ぐために

地域猫が飛び出してきて事故に遭っても、最終的には単なる自損事故として扱われる可能性が高いので、そういう事態を避けるためには事故を起こさないようにするしかありません。まず、猫が目の前に出てきた時点で車を止められなかったり、ハンドルを切り損ねてしまうというのは、ある程度のスピードが出ているからと考えられます。

そのため、やはり法定速度を守って走るというのが対策の一つになってくるでしょう。

また、もう一つ重要なのは左右に気を配るということです。猫に限らず、道路の脇からは子供やボールなどいろいろなものが飛び出してきます。猫の場合はガードレールの下からなど思いもよらぬ場所から出てくるので予測が難しいですが、常に左右に気を配っていれば早い段階で猫を確認することができて飛び出してきてもあわてずに対応することができるでしょう。

車列の先頭を走っている場合のよそ見運転は危険

よそ見にも注意しなければなりません。特に車列の先頭を走っている場合、前の車に追突することがないのでついついよそ見をしてしまうことがありますが、そういう状況で猫が飛び出してくると回避する時間がほとんどなく、運転ミスにつながります。

また、回避できずに猫を轢いてしまったら、それはそれで非常に後味が悪いものです。そうならないように集中して運転するようにしましょう。